やきそば情話 2

  「焼きそば屋のおばあちゃん」

富士宮やきそば学会  運営専務 渡辺 孝秀

 子供の頃から通っていた行きつけのやきそば屋(お好み焼き屋)がある。小さな駄菓子屋風の店で、4、5人でいっぱいになってしまう。そこで漫画を読んだり、おばあちゃんの話を聞きながら食べるひとときは、この上ない満足感と悠久の流れを感じさせる時間であった。

しかし、そのおばあちゃんも、最近では高齢になり、疲れてきたとのことで、ぼちぼち店を閉じようかなとよく漏らしていた。

 そんな矢先、「富士宮やきそば」の大ブレークである。久しぶりにその店に寄ってみた。「おばあちゃん、元気」と声をかけると、にこにこしながら「元気だよ」と間髪入れずに答えてくれた。

理由を伺うと、最近、県外など遠方の方がわざわざ焼きそばを食べに来てくれる人が多く、そうした人たちと、話す機会が増え楽しいらしい。やきそばを焼きながら出身地の話になったり、更には話題が発展して各地のいろいろな情報に及び、とても興味深いとのことだ。鉄板を囲み大いに話が盛り上がるらしい。おかげで頭が冴えてきたと言う。なにやら元気はつらつで見違えるようになってしまった。焼きそばを焼いて40年、こんなことになるなんてとうれしさを滲ませていた。

 人も、まちも注目されてくると、なにやら輝きを増してくるようだ。